陶器の歴史

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世界の焼き物

スペイン

スペインの陶器

ムーア人によって伝えられ、スペインで焼成された錫釉陶器をイスパノ・モレスク陶器といいます。
13世紀にモンゴル人がサラセン帝国へ侵入し、各地の窯場が破壊されたため、錫釉陶器やタイルの焼成技法をもった陶工たちを含むたくさんのイスラム教徒がスペインに移住しました。
13世紀末から14世紀後半の間にマラガ、ムルシア、グラナダなどスペイン南部で製作された陶器には、コバルトの青とラスター彩で唐草文、組紐文、イスラム文字、生命の樹などが描かれました。
1492年のキリスト教徒の失地回復により、イスラム教徒は北アフリカに追放されてしまいましたが、南部の陶工たちは戦乱を避けて東海岸バレンシア地方に移住し、マニセスとパテルナの町がイスパノ・モレスク陶器の生産地になりました。